2020年5月10日日曜日

企業内読書会のススメ

企業内読書会のススメ


 企業にこそ、読書会を強くオススメします。


 職場での交流が減少しています。職場に深いつきあいを求める人は大幅に減っています(NHK放送文化研究所)。従来型の飲み会によるコミュニケーションは避けられつつあります。

 しかし、職場でのグッドアイデアは雑談などの知的交流から生まれます(『イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則』71-73頁)。また、職場で精神的な支援を行っているのは、上司や先輩ではなく、圧倒的に同輩・同期です(中原淳『職場学習論』61頁)。つまり、同輩・同期の絆は、会社にとっても財産なのです。


 そこで、若手社員の間に絆を築く、知的交流の場として、若手社員向け読書会を提供します。


 読書会は、まさに知的交流そのものです。また、読書会ではお互いの考え方の特徴を自然に知ることができますので、絆が深まります。従業員が行う懇親会に補助費を出す企業が増えていますが、読書会のほうがより有意義です。


 【読書会の様子】


読書会の対象・方式

ア 読書会参加者

 若手社員またはそれに類するグループ、1回あたり8名程度

イ 開催頻度・時間・場所

 1ヶ月に1回、平日夜 読書会1時間30分(その後の懇親会1時間程度)

 飲食店営業許可取得済みのレンタルスペースで開催

ウ 提供方式

 参加は業務時間外の任意とし、福利厚生費として企業から参加費の一部を補助


読書会の詳細

 読書会には、①推薦型(参加者各々がお勧めの本について語る)と、②課題本型(課題とされた本を参加者が読んで集まり、様々な読みを語り合う)があります。

 それぞれに長所短所あり、①推薦型の長所は、好きに本を選べて強制感が出にくいこと、短所は、読みっぱなし、紹介されっぱなしになりやすいことです。②課題本型は逆に、本が指定され強制感が出やすいですが、読みっぱなしにはなりません。

 ハイブリッド型

 わたしが行っている読書会は、①②を交互に行うハイブリッド型です。運営者の経験によれば、このスタイルで①②のおいしいとこ取りができます。

 奇数回は、推薦型です。設定したテーマ(例えば、「流通」「医療」「現代中国」「進化論」等々)について、参加者がそれぞれお勧めの本を持ちより、1人5分間で紹介・推薦します。その後、その中から一冊、「いちばん読みたくなった本」を、参加者同士の投票で選びます。

 偶数回は、前回選ばれた本を課題本とした読書会です。1人5分程度で自分が感銘を受けた部分を引用しながら話し、その後、互いに読みを語り合います。

 本の対象は、新書(岩波新書、中公新書、講談社現代新書その他)に限定します。新書なら、読書量が多くない新入社員でも読めますし、読書家でも満足できます。紹介される本のレベルや方向性が揃うため、ハイブリッド型が可能になります。

 (なお、読書会の詳細は、参加者の特性を見ながら柔軟に対応します。)


読書会後

 読書会後には、食事とドリンク(アルコール含む)を提供し、若手社員の間の懇親を深めます。

 読書会で出た意見は、運営者が文書としてまとめます。記録に残すことによって、読みっぱなしにせず、知的な共有資産とします。

 読書会を1年程度続けた後には、社内イベントなどで「新入社員から本の紹介」を行ったり、社内報に顔写真付きで本の推薦文を載せるなど、企業への定着のための施策も行えます。

 【読書会後の様子】


料金

 参加者負担額:3,000円(飲食費込)

 企業負担額:(3,000円×参加者数)+12,000円


最後に

 近時の若手社員は学習への意欲が高く、勉強会なども一般的です。例えば『なぜ若手社員は「指示待ち」を選ぶのか?』(豊田義博)232頁には、「社外の勉強会に参加したことがある若手世代は、調査した人数全体の3割近くいました」とあります。社内でもこの意欲に応えるべきです。

 ルールや土俵が明確な競争環境が消えつつあり、単に頑張るだけでは成果が出にくい状況になっています。求められているのは、深い思索です。私は、このような状況に、単なる娯楽でない読書の習慣、また、同輩・同期との気心の知れた絆がぜひとも必要であると、強く思っています。


 若手社員の間に絆を築く、知的交流の場として、読書会をぜひご活用ください。


【連絡先】

tatsuya_wakita@yahoo.co.jp