2020年6月20日土曜日

『コルシア書店の仲間たち』(須賀敦子)

『コルシア書店の仲間たち』(須賀敦子)

『コルシア書店の仲間たち』(須賀敦子)を読んだ。

 深い情感を呼ぶエッセイ。ミラノの、教会の片隅にありながら「せまいキリスト教の殻にとじこもらないで、人間のことばを話す『場』を作ろう」と創立された本屋の物語です。

 精力的でカリスマある創立者ダヴィデ神父をはじめ、仲間たちが個性的でおもしろいですが、なぜか滅びの予感のようなものが、全篇の底に響いているようです。仲間たちは、日常や病いのために離れていきます。「人それぞれ自分自身の孤独を確立しない限り、人生は始まらないということを、すくなくとも私は、ながいこと理解できないでいた」。