2020年8月6日木曜日

『私はすでに死んでいる ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』(アニル・アナンサスワーミー)

『私はすでに死んでいる ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』(アニル・アナンサスワーミー)

『私はすでに死んでいる ゆがんだ〈自己〉を生みだす脳』(アニル・アナンサスワーミー)を読んだ。

 なぜ私は、私という意識をもっているのか。知りたい。その謎を本書は、自意識が失調する症候群から探っています。自分が死んだと思い込むコタール症候群、離人症、自閉症…。

 自意識について説得的ですが、むしろ患者の苦しみの記述が深いです。脳は恒常性維持のための器官、予測機能付きサーモスタットのようなものです。外界を観察し予測し、行動を制御します。しかし自閉症では予測がうまく働かないため、経験を毎回ゼロから受けとめることになります。「自閉症患者にとって、世界は悪い意味でマジックだ」と。