『クックズ・ツアー』(アンソニー・ボーデイン)を読んだ。
野性的なのに洗練されてもいるトップシェフが、世界中で喰いまくる。ポルトガルで豚の丸焼き、東京で高級寿司、ベトナムでフォー(「適切に調理されたフォーほど旨いものがあるだろうか」)、バスクも旨そう。「じゅうじゅう音を立てているソテーしたキノコの真ん中に卵の黄身が乗せられ、じわっと形を崩しつつある」。
旨い料理は単に味のいい物体ではなく、背景をもちます。「自分たちのコミュニティとそこの料理文化、そして料理人たちに強い共感を寄せている場所では、たいてい旨い料理が食べられるものだ」。