2020年10月3日土曜日

『腕一本・巴里の横顔 藤田嗣治エッセイ選』(藤田嗣治)

『腕一本・巴里の横顔 藤田嗣治エッセイ選』(藤田嗣治)

『腕一本・巴里の横顔 藤田嗣治エッセイ選』(藤田嗣治)を読んだ。

 藤田が自らあかす絵の奥義は、「膚」と「黒」。パリで貧窮画家生活をしながら自分なりの絵を求めて苦闘し、辿りついた境地です。

 「膚」について、日本には西洋のような裸体画は存在しないものの、春信や歌麿が「僅かな脚部の一部とか膝の辺りの小部分をのぞかせて、飽までも膚の実感を描いているのだという点に思い当り、始めて肌というもっとも美しきマチエールを表現してみんと決意」したといいます(マチエールとは質感、材質的効果)。「黒」も、東洋人こそがその美しさと味わいを熟知しているというのです。