2020年12月18日金曜日

『ヘイト・スピーチという危害』(ジェレミー・ウォルドロン)

『ヘイト・スピーチという危害』(ジェレミー・ウォルドロン)

『ヘイト・スピーチという危害』(ジェレミー・ウォルドロン)を読んだ。

 令和の記念に、川岸令和(のりかず)教授の訳書に挑戦。ヘイトスピーチの法規制に賛成するものです。

 ヘイトスピーチ規制は、米国では違憲の意見が強い。人を説得するのを法で禁じてはならないのです。少数派を寄生虫だとか言う人は、まさに人々をそう説得したいわけで、法で禁圧してよいのか。本書が誠実に示す反対意見には、強い説得力と整合性がある。賛成の論拠は「公共的地位が奪われないと安心できることは公共財」ですが、やや曖昧。なのに著者の主張に説得される不思議な構成です。ぜひ自ら体験されたし。