2020年6月16日火曜日

『スティグリッツのラーニング・ソサイエティ 生産性を上昇させる社会』(ジョセフ・E・スティグリッツ、ブルース・C・グリーンウォルド)


『スティグリッツのラーニング・ソサイエティ 生産性を上昇させる社会』(ジョセフ・E・スティグリッツ、ブルース・C・グリーンウォルド)

『スティグリッツのラーニング・ソサイエティ 生産性を上昇させる社会』(ジョセフ・E・スティグリッツ、ブルース・C・グリーンウォルド)を読んだ。

 超面白い。ここ二百年で人類の暮らしが格段に良くなったのは、ラーニングのおかげ。特に職場での着実な改善のおかげです。

 自由市場は理論上、世界の富を最大化しないとの指摘が刺激的。リカードの比較優位説は、各国が国内で最も得意な分野に注力したうえ自由貿易すれば世界の富が最大になるとしますが、これが本当なら、米国も日本も韓国もずっと農業国だった方が世界の富が多かったのか。これはラーニングを無視した立論です。工業はラーニングが生じやすいため、ある種の工業保護は、世界の富を増やすのです。