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2021年9月1日水曜日

『AI原論 神の支配と人間の自由』(西垣通)

『AI原論 神の支配と人間の自由』(西垣通)

『AI原論 神の支配と人間の自由』(西垣通)を読んだ。

 哲学的に、AIと生命は別物。面白い。けど同意できない。生命は全く新しい状況でも生き抜こうとする。そのとき、自分でもどう動くか計算できない。対してAIは、常に過去の確率に従う。複雑でも原理的にはどう動くか計算できる。「不可知であることが、生命体の本質なのである」。

 うーん、不可知はそんなに「本質」か。蝶の動きが予測不能なのは補食されないため(D・デネット)。ありふれたシステムの振る舞いでも予測不能になりうる(前野隆司)。だったらAIも、自己保存するなら不可知になりうるのでは。

2021年2月1日月曜日

『法哲学と法哲学の対話』(安藤馨、大屋雄裕)

『法哲学と法哲学の対話』(安藤馨、大屋雄裕)

『法哲学と法哲学の対話』(安藤馨、大屋雄裕)を読んだ。

 最高に面白い。雑誌「法学教室」に連載され、初学者に法哲学を概説しようという企画ですが、そんな学習的配慮、瞬く間に粉微塵。法哲学者双璧による、全開の討論です。とても説得的と感じた立論が20ページ後には根こそぎ覆される、目も覚める体験を。

 最終章(法哲学と憲法)のタイトルは「最高ですか?」。憲法は98条で「国の最高法規」と規定しますが、最高って言ってればそれだけで「最高ですか?」。そんなのはあの教祖とどう違うのか。つまり、法はなぜ守られるべきなのか。うーん実に、「最高です!」

2020年12月28日月曜日

『レトリックと人生』(ジョージ・レイコフ、マーク・ジョンソン)

『レトリックと人生』(ジョージ・レイコフ、マーク・ジョンソン)

『レトリックと人生』(ジョージ・レイコフ、マーク・ジョンソン)を読んだ。

 我々の思考は、全部レトリックです。難しい抽象概念も、身の回りの比喩から積み上げていって理解しているのです。例えば、論理は食べ物。論理を味わい、咀嚼し、消化し、あるいは口に合わず、アレルギーを起こす。また例えば、議論は戦い。論陣を張り、不意打ちしたり、罠を仕掛けたり、丁々発止と渡り合ったり。

 また我々は、新しい比喩を創り出すこともできます。それは物事を新しい側面から眺めること。新しい比喩が概念体系に入り込めば、行動も変わる。つまり新しい比喩は、新しい現実の創造でもあるのです。

2020年12月22日火曜日

『人間知性研究』(デイヴィッド・ヒューム、斎藤繁雄・一ノ瀬正樹訳)

『人間知性研究』(デイヴィッド・ヒューム、斎藤繁雄・一ノ瀬正樹訳)

『人間知性研究』(デイヴィッド・ヒューム、斎藤繁雄・一ノ瀬正樹訳)を読んだ。

 前から読みたかったヒュームに挑戦してみた。さすが古典、自分の頭で考えるのはこういうことかと思ったことでした。一ノ瀬正樹解説も面白いです。

 ヒュームによれば、知識は、アプリオリな理論によって得られるのではありません。ある出来事に続いていつも別のある出来事が生じる(恒常的な連接)のを見いだすという経験によって得られます。しかもこれは一種の自然的本能であって、人間に特別なものではない。ヒューム曰く、犬も知識を有する。理性も自然の一種であって、何か別の抽象世界の産物ではないのです。