2023年1月1日日曜日

読書会紹介


大阪で読書会を開催しています。   
現在は、新書(岩波新書・中公新書・講談社現代新書ほか、各社新書レーベル)限定で行っています。     

雰囲気はなごやかでざっくばらんです。  
参加者は会社員・学生の方々、人数は毎回8名程度です。 
テーマについて深く、かつ多様に考えることのできる読書会としたいです。  

【進め方】
奇数回と偶数回で異なります。

奇数回は、参加者それぞれがおすすめの新書を紹介する、紹介型の読書会です。ビブリオバトルのルールに従ってやってます。発表でも投票のみでも参加可能です。ビブリオバトルについてはこちら

偶数回は、前回紹介された本の中から選ばれた1冊をみんなで読む、課題本型の読書会。読んで感銘を受けたページを指摘しながら、自分の読みを概ね5分ずつ語る(短くても可、パスも可)、というような形でやってます。

【主催者】
私、連鎖堂です。よろしくお願いします。
普段は弁護士をしています。平日が殺伐としているので、週末の読書会は落ち着いたものにするよう努めてます。

【次回】
2022年1月28日(土) 午前10時00分から13時00分まで
次回は偶数回なので課題本型の読書会。課題本は、『刑吏の社会史 中世ヨーロッパの庶民生活』(阿部謹也、中公新書)です。

【詳細】
日程 原則毎月第4土曜日 午前10時から13時00分まで
場所 大阪市北区のレンタルキッチン
参加費 会場費と昼食(軽食)費とで合計2000円

【参加方法】
tatsuya_wakitaアットyahoo.co.jp
まで、メールください。ぜひお気軽にどうぞ!

【今までのテーマ】
第1、2回のテーマは「情報」
第1回で発表された本は、
 『太平洋戦争日本語諜報戦』(武田珂代子、ちくま新書)
 『未来をつくる図書館』(菅谷明子、岩波新書)
 『流言のメディア史』(佐藤卓己、岩波新書)
 『脳が壊れた』(鈴木大介、新潮新書)
 『アリストテレス入門』(山口義久、ちくま新書)
第2回の課題本は、第1回で「最も読みたくなった本」を獲得した、
 『未来をつくる図書館 ニューヨークからの報告』

第3、4回のテーマは「労働」
第3回で発表された本は、
 『勤勉は美徳か?』(大内伸哉、光文社新書)
 『隠された奴隷制』(植村邦彦、集英社新書)
 『なぜ、残業はなくならないのか』(常見陽平、祥伝社新書)
 『空気の検閲 大日本帝国の表現規制』(辻田真佐憲、光文社新書)
 『新しい労働社会 雇用システムの再構築へ』(濱口桂一郎、岩波新書)
第4回目の課題本は、第3回で「最も読みたくなった本」を獲得した、
 『勤勉は美徳か? 幸福に働き、生きるヒント』

第5、6回のテーマは「医療」
 第6回の課題本は、『心病める人たち 開かれた精神医療へ』(石川信義、岩波新書)

第7、8回のテーマは「人文」
 第8回の課題本は、『グロテスクな教養』(高田里惠子、ちくま新書)

第9、10回のテーマは「進化」
 第10回の課題本は、『「退化」の進化学』(犬塚則久、ブルーバックス)

第11、12回のテーマは「米国_現代」
 第12回の課題本は、『ルポ 不法移民とトランプの闘い』(田原徳容、光文社新書)

第13、14回のテーマは「宇宙」
 第14回の課題本は、『宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と宇宙の旅』(谷口義明、光文社新書)

第15、16回のテーマは「キリスト教」
 第16回の課題本は、『キリスト教は邪教です!』(ニーチェ、講談社+α新書)

第17、18回のテーマは「家計」
 第18回の課題本は、『サラ金の歴史 消費者金融と日本社会』(小島庸平、中公新書)

第19、20回のテーマは「脳科学」
 第20回の課題本は、『未来は決まっており、自分の意志など存在しない。 心理学的決定論』(妹尾武治、光文社新書)

2021年9月20日月曜日

『科学の発見』(スティーヴン・ワインバーグ)

『科学の発見』(スティーヴン・ワインバーグ)

『科学の発見』(スティーヴン・ワインバーグ)を読んだ。

 ニュートンはリンゴが落ちるのを見て重力を発見した、って、ちょっと何言ってるか分からない。本当はこう。

 ケプラーは水金火木土星全て、公転周期の2乗が太陽との距離の3乗に比例することを発見していました。またニュートンは円運動で生じる中心へ引く力(向心加速度)を解明しました。式を変形すると、太陽が惑星を引く力は距離2乗の反比例で弱まる。ここで地球が月を引く力と、地表の重力加速度も、おお、地球中心からの距離2乗の反比例で弱まってる。なんと太陽も地球も引く力は同様だ。重力を発見した!

2021年9月13日月曜日

『人を伸ばす力 内発と自律のすすめ』(エドワード・L・デシ、リチャード・フラスト)

『人を伸ばす力 内発と自律のすすめ』(エドワード・L・デシ、リチャード・フラスト)

『人を伸ばす力 内発と自律のすすめ』(エドワード・L・デシ、リチャード・フラスト)を読んだ。

 我が子の勉強や、従業員の仕事の質を上げるため、どうやって動機づけるか。そういう問題の立て方、のっけから断然間違ってます。なんとなれば、逆から考えろ。他人から動機付けされたら、やる気、出ないでしょう。研究によれば、「したくないだろうとも、してもらいたい」と、矛盾を正直に認めたほうが、自律性が阻害されにくいのです。

 その他、報酬を設定されると、やる気が削がれることがある。競争を設定されると、サクラで勝たせても、やる気が削がれることがある。人をなめたらアカン、と思ったことでした。

2021年9月8日水曜日

『創造的破壊 グローバル文化経済学とコンテンツ産業』(タイラー・コーエン)

『創造的破壊 グローバル文化経済学とコンテンツ産業』(タイラー・コーエン)

『創造的破壊 グローバル文化経済学とコンテンツ産業』(タイラー・コーエン)を読んだ。

 考えさせる力が強い本です。グローバル経済は世界各地の文化的独自性を、現実に削いでいる。では、ハリウッド映画やショッピングモールは悪か。

 例えばパプアにモールができれば、パプアの独自性は失われ、美術コレクターの選択肢は狭まるでしょう。しかし、パプア人の選択肢を狭いままにしておけというのは正しくない。また、「社会集団間の多様性」が減っても、「社会内部の個人にとっての多様性」は増えうるし、そのほうが人々が自分に噛み合う文化を獲得しやすい。現に狭くても深い文化は増えている、という。

2021年9月1日水曜日

『AI原論 神の支配と人間の自由』(西垣通)

『AI原論 神の支配と人間の自由』(西垣通)

『AI原論 神の支配と人間の自由』(西垣通)を読んだ。

 哲学的に、AIと生命は別物。面白い。けど同意できない。生命は全く新しい状況でも生き抜こうとする。そのとき、自分でもどう動くか計算できない。対してAIは、常に過去の確率に従う。複雑でも原理的にはどう動くか計算できる。「不可知であることが、生命体の本質なのである」。

 うーん、不可知はそんなに「本質」か。蝶の動きが予測不能なのは補食されないため(D・デネット)。ありふれたシステムの振る舞いでも予測不能になりうる(前野隆司)。だったらAIも、自己保存するなら不可知になりうるのでは。

2021年8月30日月曜日

『フランス革命 歴史における劇薬』(遅塚忠躬)

『フランス革命 歴史における劇薬』(遅塚忠躬)

『フランス革命 歴史における劇薬』(遅塚忠躬)を読んだ。

 超面白い。歴史の本質まで迫る勢いです。フランス革命は要するに血まみれの大惨事であり、恐怖政治は半年で4万人を殺し、続く内乱では30万人が死亡しました。「人間は、生まれながらにして、自由であり、権利において平等である」とする人権宣言から、数年後には恐怖政治。なぜそうなるか。

 革命の前半は良く、後半暴走したと解するのがありがちですが、そんなのは事実に反します。男子普通選挙が実現したのも、生存権が登場したのも、恐怖政治下です。人権宣言も恐怖政治も、一体としてフランス革命なのです。

2021年3月4日木曜日

『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(山田奨治)

『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(山田奨治)

『日本の著作権はなぜこんなに厳しいのか』(山田奨治)を読んだ。

 日本の著作権法の法定刑は、世界で一番厳しい。なんと窃盗と同等です。盗みは誰でも悪いと思うでしょうが、コピーを配るのが同じくらい悪いのか。著作権法の第一人者、中山信弘曰く、「法改正としては極めて遺憾である」。本書では、法改正が実際いかになされているかを観察できます。

 文化の創成と拡散にとって、コピーは不可欠な要素です。ところが業界側は、文化を商品カテゴリーの一種だと思っています。そして、普通の人がやっていることを犯罪にしようとしています。法で犯罪を創る。それは法匪の発想です。