2022年12月17日土曜日

特別回第1回 「やってみようミニ一万円選書」


今回は特別回、「やってみようミニ一万円選書」を開催しました!

 土曜午前に集まって、参加者同士お互いに、合計約3500円の本をプレゼントし合うという試みです。
 素人同士で選書し合うという、やや無理筋のイベントを、先行事例もないままやってみましたので、どうなることかと思いましたが、結果、すごく楽しかったです!

 何が楽しいかといえば…、

  •  人のために選書するのが、あれこれ考えるのも、喜んでもらえるだろうかとどきどきするのも楽しい。
  •  自分のためを思って選書してもらえるのが嬉しい。プチ王様気分的な。
  •  参加者の、人生ベスト20冊やお勧め本を大量に知ることができて、非常に興味深い。
  •  この時期なので、最近もらってなかった、クリスマスプレゼント感が満載。
 という、贅沢な仕様です。

 個人的には普段まったく手に取らない、絵本や詩集がすごく印象に残りました。私に贈っていただきました本も、自分では選ばないものでしたので、世界が広がるようで期待が高まります。

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 今回は『一万円選書』を参考にして、事前に「選書カルテ」というのをそれぞれが書き、それに基づいて他の人が選書する方式でやってみました。
 選書カルテは質問に答えるもので、「これまでに読まれた本で印象に残っている本BEST20をお教えください」のほか、「どういうときに嬉しいと感じますか」「どういうときに苦しいと感じますか」など、10問です。

 選書のポイントは、①選書される側の読書傾向に合わせて選ぶか、それとも外して、②選書する側の得意分野から選ぶか、です。
 せっかく選書カルテでベスト20冊を書くのですから①も重要なはずですが、個人的な感想としては、②のほうが、普段知らない本を知ることができて良かったような。もちろん、ぜんぜん興味のない本を贈られてしまうリスクもあるわけですが、それよりも、新たな分野へのきっかけとなる可能性のほうが上回ると見ました。

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 以上、無謀な試みにおつきあいいただきました参加者5名の皆様、本当にありがとうございました!

 なお、かなり良かったので、もしご興味おありの方がいらっしゃるようでしたら、またサン・ジョルディの日(本と薔薇を贈り合うカタルーニャのお祭り、毎年4月23日)あたりで、開催も検討したいです(未定)。
 また、ご興味おありの方は、『一万円選書 北国の小さな本屋が起こした奇跡の物語』(岩田徹、ポプラ新書)を是非。この本はとても読みやすいです。

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プレゼントされた本

『ねこは るすばん』(町田尚子)・『傑作はまだ』(瀬尾まいこ)・『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』(川上和人)・『頭のうちどころが悪かった熊の話』(安東みきえ)

『義経千本桜』(橋本治、岡田嘉夫)・『荒野へ』(ジョン・クラカワー)・『夢見る帝国図書館』(中島京子)

『北風のうしろの国』上下巻(ジョージ・マクドナルド、岩波少年文庫)・『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』(飲茶)・『長田弘詩集 はじめに』(長田弘)

『となりの脳世界』(村田沙耶香)・『本当の戦争の話をしよう』(ティム・オブライエン)・『料理と科学のおいしい出会い 分子調理が食の常識を変える』(石川伸一)・『ずる 嘘とごまかしの行動経済学』(ダン・アリエリー)

『少女七竈と七人の可愛そうな大人』(桜庭一樹)・『ぼくはお城の王様だ』(スーザン・ヒル)

『死刑執行人サンソン 国王ルイ十六世の首を刎ねた男』(安達正勝、集英社新書)・『一〇〇年前の女の子』(船曳由美)・『明治洋食事始め とんかつの誕生』(岡田哲、講談社学術文庫)・『短歌の友人』(穂村弘)

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 なにかの参考のために、手順など残しておきたいと思います。

【事前準備】
1 参加者は、「選書カルテ」に、回答する。
2 ある参加者(選書される者)の選書カルテを、ランダムに、他の参加者(選書する者)に送信する。
3 このとき、ネットでの受け渡しを工夫して、どの選書カルテを誰が書いたのか、自分が誰に向けて選書しているのか、分からないようにする。(なお、もともと知り合いの場合は、カルテの内容で、だいたい分かってしまうこともある。)
4 選書する者は、選書カルテを読んで、喜んでもらえそうな本を選び、3500円(前後)で購入しておく。
5 主催者は、全ての選書カルテを、参加人数分コピーしておく。

【当日】
6 選書カルテのうちの1つを選んで(順番はランダム)、全員にそのコピーを配り、どんな回答をしているのか、まず読む。
7 その選書カルテをもとに選書した者が、買ってきた3500円分の本を披露して、なぜその本を選んだかなどを伝える。
8 その選書カルテを書いた者(選書される者)が名乗り出て、感想などをいただく。

【注意】
9 選書へのディスり無し。
10 既に読んだことのある本が選書された場合の処理が、詰め切れていませんでした。一応、既読本が2冊以上出た場合は交換するということにしていたのですが、今回は既読本は1冊だけでした。

【今後】
11 既読本の扱いを含め、システムをもう少し、あるいは大きく変えてみる手もある。

 以上です。