2021年1月19日火曜日

『闇(ダーク)ネットの住人たち デジタル裏社会の内幕』(ジェイミー・バートレット)

『闇(ダーク)ネットの住人たち デジタル裏社会の内幕』(ジェイミー・バートレット)

『闇(ダーク)ネットの住人たち デジタル裏社会の内幕』(ジェイミー・バートレット)を読んだ。

 ドラッグ闇市場、児童ポルノ、女性ポルノ実況、ネトウヨ、自殺サイト。取材力と臨場感がすごい。廃墟になった紡績工場団地の教会に集うハッカーとか。

 ネット暗部に棲むのはどんな人々でしょう? 狂った奴ら?「私は、本書の主な登場人物のほとんどに、まずオンラインで、次にオフラインで会ったが、より好感が持てたのは常に現実世界の彼らの方だった」。ネットには、フェイストゥフェイスの部分が載りません。そこを想像力が誇張して補ってしまい、相手を怪物に変えてしまいます。正体見たり枯れ尾花なのです。

2021年1月16日土曜日

『たとえる技術』(せきしろ)

『たとえる技術』(せきしろ)

『たとえる技術』(せきしろ)を読んだ。

 サプライズでプレゼントをもらった。嬉しい。「とても嬉しいです」よりもっと、嬉しさを伝えたい。そんなときは、喩えましょう。

 「『この犬、他の人に懐くこと滅多にないのよ』と言われたときのようにうれしいです」「大浴場に自分ひとりだけだったときのようにうれしいです」「席替えで窓際になったときのようにうれしいです」。本書には秀逸な喩えが満載です。読めば自分でも喩えたくなります。そこで私から一つ。「珍しい料理の名前を自分だけが知っていたときのようにうれしいです」。皆様も、嬉しさを是非。

2021年1月12日火曜日

『日本のすまい 内と外』(エドワード・モース)

『日本のすまい 内と外』(エドワード・モース)

『日本のすまい 内と外』(エドワード・モース)を読んだ。

 モース曰く、明治初期の日本の住まいは、軽やかで、簡素で、美しい。「いつか役にたつだろうだろうというようなケチな精神はなく、がらくたをいたずらにとっておくことがない」。ああ。なんかすいません。

 モースのスケッチが美しいです。数本の細竹を用いた欄間や、二枚の薄板で山脈を表現した欄間、「センスがよい」という直球の誉め言葉です。そこには、ノスタルジーやオリエンタリズムにとどまらない、普遍的な美があります。本書は、物で埋もれそうな現代の住まいを美しくする、きっかけになりうるでしょう。

2021年1月5日火曜日

『ニュータウンの社会史』(金子淳)

『ニュータウンの社会史』(金子淳)

『ニュータウンの社会史』(金子淳)を読んだ。

 ニュータウンはなぜかいつも病理扱い。そんななか本書はニュータウン側に立ってますので、個人的にはグッと来ます。第一次入居者の苦労とか、懐かしい。あのころ本当に、何もなかった。

 しかし具体的なので、逆に深い批判になっています。つまり、別のあり方もありえた。新住宅市街地開発法は農業を根こそぎにし、(86年の改正まで)職場すら原則禁止しました。その結果が広大な「無産業地帯」。なぜ職場を作らなかったのか。「『乱開発の防止』という名の地域社会の『乱開発』以外のなにものでもなかった」と。